今回は弓のコントロール・*ボウイングについて紹介していきます。
(*弓を動かす事をボウイングといいます。)
バイオリンは弦を弓の毛でこすって音を出します。
「弓をどこに置いたらいいの?」
「正しいフォームは?」
「ちゃんと音が鳴らない!」
など、弓を使った悩みは様々なものがあります。
この記事では、覚えたい弓の場所、こする場所、フォームなどについて説明していきます。
目次
弓の位置を覚える
弓には大きく3つの位置があります。
それぞれの場所と名前を紹介します。
弓元(ゆみもと)
弓の根元の部分です。
この部分で演奏するときは、脇をしめて腕と手首を曲げます。
主に力強い音を出すときに使います。
小指が伸びてしまわないように丸くします。
コントロールが1番難しい場所です。
弓先(ゆみさき)
弓の先の部分です。
腕から遠いので弓が浮いてしまわないように腕全体の重みをかけます。
また、肘の関節を伸ばします。
弓中(ゆみなか)
弓の真ん中・中弓と言ったりもします。
弓元と弓先の間です、よく使われる場所で初心者はまずこの部分をしっかり使えるように練習してみましょう。
それぞれの場所に弓を置いてみましょう。
(まだ音は出さなくて大丈夫です)
今回はE線を使います。
弓中からはじめて、その次に弓先、最後に弓元です。
弓を置くときの注意ポイント
駒と弓は平行に
弓を弦に置くときに注意したいのが、弓の角度です。
鏡を見たり、直接目でみたりして駒と平行になっているかを必ず確認してください。
駒と指板の間を狙って
弓は指板と駒の間に置きます。
駒に寄りすぎるとキツい音、指板寄りになるとかすれた音になりますので気をつけましょう。
音を出そう
さて、いよいよ音を出していきます。
先ほど弓元や弓先などポイントに弓を置いていきましたね。
そのポイントを線で結ぶような感覚で弓を動かしていきます。
E線の上で弓元からはじめて、弓先までゆっくり動かしてみてください。
(この時左手はなにも押さえないようにするか、バイオリンの端を持ってると楽です)
どうでしょうか?
上手く音が出なかったり、他の線を触ってしまったりしませんでしたか?
弓元から弓先まで使うのは最初は難しいかもしれません。
なので、慣れるまでは弓中からはじめて、上下5センチから10センチあたりを使って弾いてみましょう。
ダウンとアップ
弓元から弓先の方向に弓を動かすことをダウン。
その逆で弓先側から弓元に向かって動かすことをアップと言います。
記号もあって下の図のように書きます。
楽譜に沢山出てくるので覚えてみましょう。
弓の圧力
弓にかける圧力は実際に弾いてる音を聴きながら調整します。
「ギギッ」とノコギリのような、音がするようなら押さえつけるチカラが強いので少し弱めてみます。
大人の人はどちらかというとフワッと撫でて弾く人が多いのですがこれだと表面を滑っているだけになるので良い音は出ないです。
圧力のかけ具合を実験してみる
弓の圧力は体験によって適切な力加減がわかってきます。
ですので、最初は強い力から弱い力まで色々なパターンを試してみると良いでしょう。
最初は強めに押さえてそこから徐々に力を抜いていくと調整しやすいです。
先生に習っている人は先生にどの音が一番良いか聴いてもらうとより参考になります。
移弦(線・弦を移動)してみよう
弦から弦に移動することを移弦と言って、ボウイングのテクニックの1つになります。
バイオリンの弦は4本ありますが、各弦によって弓の置き方が変わってきます。
特に、E線とG線は距離があるのでフォームの違いに気をつけましょう。
移弦の練習の仕方
弓中に弓をセットします。
E線からA線へ音を出さないようにして移弦します。
弦と弓が接地してるところを支点として動かすようにしましょう。
E線の時は肘を下げておきます、A線になると肘が少しだけ上がります。(肘を上げすぎないように注意)
E線からA線が出来たら次はD線、そしてG線と移弦していきます。
おわりに
覚えることがたくさんの弓の使い方。
これらの事を身体に覚えこまていくことが大切です。
美しい音と弓の使い方は密接に関係しています。
「あ、今良い音がしたな!」
そう思えるような音を目指して頑張りましょう!