チューニングとはバイオリンの弦を正しい高さに調整することです。
呼び方は様々で、「チューニング」「調弦」「音合わせ」などと言います。
バイオリンを始めたばかりの人にはなかなか難しいチューニング。
しかしこれをしないとちゃん正しい音が出なかったり、楽器にもよくなかったりと問題があります。
調弦には繰り返しの慣れが大切ですので、正しい方法を知ってどんどんチャレンジしてみましょう。
今回はそんなチューニングについて紹介していきます。
目次
必要なもの
・チューナー
・アジャスター(必要があれば)
どうやって合わせるの?
バイオリンには4つの弦があって高い方から、E(ミ)A(ラ).D(レ).G(ソ)となります。
まず最初はA(ラ)の音からはじめます。A線(ラ)の次はD線(レ)、G線(ソ)、最後にE線(ミ)を合わせます。
一般的な方法
Aをチューナーと合わせたらA線を基準に重音で音を合わせていきます。
音があっているかは自分の耳が頼りになってきます。
初心者におすすめな方法
一音ずつチューナーと確認して音を合わせます。
この時も合わせる順番はA線(ラ)D線(レ)、G線(ソ)、E線(ミ)になります。
どちらの方法でもチューニングするには、ペグとアジャスターを調整して音の高さを合わせます。
ペグ(糸巻き)
それぞれの線を巻き取ってあり、これを回すことによって音の高さが変わります。
奥に回すと音が高くなり、手前に回すと低くなります。
この加減が難しく、最初は正しい位置に合わせられなくて、これだけで1時間!など時間がかかってしまうことがあるくらい。
また、湿度によってペグが回りにくかったり逆に回りすぎて止まらなくなったりとバイオリン弾きの皆さんを悩ませることが多いのです。
コツは押し込みながらペグを回すことです。
そうする事で弦が緩んでしまうことをおさえることができます。
逆に固くてペグが動かない時はペグコンポジションという潤滑剤をペグに直接塗ってあげることで動かしやすくなります。
楽器屋さんに調整をお願いすることもできます。どうしてもうまくいかない人は調整に出してみると楽になりますよ。
アジャスター
チューニング補助器。
大人の楽器だとE線のみに使用する事が多いですが、初心者の人や子ども用の楽器には全ての弦に付けることもあります。
音の微調整が可能で、ネジを回して調節します。初心者の人にも扱いやすいつくりになっています。
このアジャスター微調整はできますが、大きく音の高さを変える事(ドからミに変えるなど)が難しいのであくまで補助としての役割となります。
チューニングの時の姿勢
初心者の人は楽器を弾く姿勢でペグを回すのは難しいので、弓を置いて楽器を膝の上に立てながら両手で調弦することをおすすめします。このときは指で弦をはじいてチューナーと合わせます。
アジャスターも最初はバイオリンを膝の上に立てた状態でやってみてください。
少し慣れてきたら、バイオリンを構えながらアジャスターを動かす練習をしてみましょう。
最初は右手で、その次は弓で音を弾きながら左手でアジャスターを操作します。
最後はペグをバイオリンを構えたまま操作します。
この時、弦が緩みすぎてしまったりペグが硬かったら、無理をしないで膝の上に置いて両手で直すようにしてください。
基準はA線(ラ)
A線(ラ)から合わせていきます。
オーケストラで最初に合わせてる音もこのラになります。
全ての楽器の基礎になる音ですね。
442Hz
基準となるA(ラ)の音ですが、これは1秒間に440回から445回ほど振動しています。
これを単位にすると、440Hz445Hzなどと書きます。
この何が大切かというと、数字が増えるとその分、音が少し高くなるという点です。
現在日本では442Hzを基準として使うことが多いので、チューナーも442Hzにセットしてみましょう。(初期設定では440Hzに設定されていることがよくあります)
具体的なチューニングの仕方
まずチューナーを用意しましょう。
チューナーは音を鳴らすとその音の名前と高低差をメーターで示してくれます。
では、チューナーをセットしてA線を弾いてみましょう。
チューナーに何が表示されましたか?
Aという文字とランプが緑のラインの中に入っていたら正しい音になります。
左に行けば音が低く、右に行くほど音が高いことを示しています。
A線(ラ)の次はD線(レ)、G線(ソ)、最後にE線(ミ)を合わせます。
表示される音の一覧
C C# D D# E F F# G G# A A# H C(同様に続く)
右にいくにつれて音が高くなります。
低い音を高くしたい
A(ラ)の音を合わせたい時。
アジャスターがある人はネジを時計回りに回してみましょう。
出来る人は、音を弾きながら左手でアジャスターを回します。
難しい人は指ではじきながらやってみましょう。
メーターでA以外の音が出た時はアジャスターでは直せない場合がありますのでペグを使います。
ペグは奥側に回します。
チューニングの注意ポイント
全ての弦を一度に緩めない
全ての弦を緩めてしまうと、弦を支えている駒が倒れてしまうことがあります。
駒が倒れてしまうと、その衝撃でバイオリンに傷がついてしまったり、バイオリンの中に立っている魂柱が倒れてしまうなど、バイオリンに大きなダメージを与えてしまいます。
弦をチューニングする時は一つずつ順番にするようにしましょう。
音を高くしすぎると弦が切れることがある
特にE線は弦が細いので力を込めてペグを回すと切れてしまう、ということが起こります。
弦自体は消耗品ですので1年に数回取り替えをしますが、こういったことで交換することもあります。
よくチューナーを見て、高い方にメーターが動いていたらしっかり戻すように気をつけてくださいね。
おわりに
チューニングをマスターするには練習が大切です。
うまくいかなくても、落ち込まずゆっくり焦らず取り組むようにしてみてください。